菊芋よりも優れたイヌリン食材

スクール生やサロンメンバーからも多くご質問をいただいたり、ライブ配信でもよくある質問で、また最近よく聞かれるようになりました。この記事ではプロの栄養パーソナルトレーナーとして、栄養の観点からみた僕の見解を記しておきます🌏

菊芋は炭水化物がある程度含まれていますが、その多くはイヌリンという特殊な食物繊維であり、通常の糖類とは異なる影響を体に与えるとされていて、一般的に注目されています。もちろん、これは一般的にはとても良い食材だということを前提において話していきます。

✅菊芋について
学術名は「Helianthus tuberosus」
この植物はひまわり属の多年草でキク科に分類され、北アメリカが原産地です。現在では世界中で栽培されています。根茎が食用になるため、その部分を特に利用することが多いです。



✅一般的に謳われていること


・糖質の吸収抑制
イヌリンは急激な血糖値の上昇を防ぐ可能性があるとされており、糖尿病患者にとって有用とされています。その背景から最近菊芋の製品が増えている。

腸内環境に良い
イヌリンはプレバイオティクスとして働き、善玉菌を増やすことが研究でも示されている。

⚠️注意点


・消化不良
イヌリン自体は一部の人々においてガス膨満感や下痢を引き起こす可能性があります。

・糖質の存在
菊芋100gには糖質が10g含まれるため、糖尿病患者の場合は一般的な効果を過剰に期待して、菊芋を過剰に摂取しないよう注意が必要です。日本の一般的な基準では低糖質の部類に入るには100g中5g以下とされています。💡この数値は糖質制限ダイエットや糖尿病患者の食事療法など、特定の健康目的で糖質を制限する際の目安としてよく用いられます

菊芋自体の糖質の量を考慮しても、少量なら全然問題ないので、血糖値管理のところだけに考慮して食べるとしたら、1食拳1個分であれば大きな影響を与える心配はないはずです。しかし、糖尿病の方はお医者さんと相談しながら、摂取量を決める必要があると思います。

✅イヌリンが含まれる食材について


一種の水溶性食物繊維でプレバイオティクスとして知られています。以下はイヌリンを含む各食材の炭水化物、糖質、食物繊維、GI値、およびGL値を総合したおおよそのリストです。

✍️これらの数値は一般的なガイドラインでソースによっては多少のバラツキがあり、栽培方法や品種、産地などによっても変動はあります。*100gあたりの計算

・菊芋
炭水化物:約15〜17g
糖質:約10g
イヌリン:約16g
食物繊維:約1.6〜2g
GI値:明確な数値は不明で低GIされている
GL:低GLが予想される

・チコリ根
炭水化物:約10.5〜18g
糖質:約4g
イヌリン:約36〜48g
食物繊維:約4g
GI:明確な数値は不明で低GIが予想される
GL:低GLが予想される

・アガべ(シロップとして考える)
炭水化物:約76g
糖質:約68g
イヌリン:変動あり、製法次第ですが極めて少ない
食物繊維:かなり少なく、ほぼ0に近い
GI:約15〜30
GL:高GLが予想される

・バナナ
炭水化物:約23g
糖質:約12g
イヌリン:約0.5g
食物繊維:約2.6g
GI:約48〜52
GL:約11〜12

・にんにく
炭水化物:約26〜33g
糖質:約1g
イヌリン:約5〜16g
食物繊維:約2〜4g
GI:低い(具体的な数値は不明)
GL:低い

・玉ねぎ
炭水化物:約9g
糖質:約4.2g
イヌリン:約2〜6g
食物繊維:約1.5〜2g
GI:約10〜15
GL:低い

💡糖尿病の方は菊芋やこれら他の食材を摂取する場合、この糖質量を考慮に入れ、日々の血糖値管理と全体的に照らし合わせるとより良いと思います

✅食物繊維とイヌリンについて


腸内フローラを改善し、一般的に健康に良い影響を与えるとされています。食物繊維とイヌリンは両方とも繊維質の一種ですが、それぞれ異なる性質と働きを持っています。

・イヌリン
これはフラクトオリゴ糖の一種で、主に水溶性の繊維です。イヌリンは小腸で消化されずに大腸に到達し、そこで善玉菌のエサになります。それによりプレバイオティクスとも呼ばれる

・食物繊維
これは植物細胞壁の主要な成分であり、多くの種類があります。以下は一般的に知られているもの

🔵水溶性食物繊維
ペクチン

ガム(Gums)

ムチレージ(動物性のムチンとは違うもので、日本では植物性ムチンと言われておりますが、科学的にはムチレージと呼ばれます)

β-グルカン

イヌリン

🟢不溶性食物繊維
セルロース

ヘミセルロース

リグニン

ブラン

🟠その他
レジスタントスターチ

食物繊維は消化されずに腸を通過するため、便通を良くしたり、コレステロールや血糖値をコントロールする効果があります。消化されないから役に立つものでもあり、特に不溶性食物繊維がより大事とも言えますが、一般的には水溶性不溶性と分けて考えずに食物繊維自体を含む食材を意識して摂取すると良いでしょう。

✅上のリストのイヌリンと食物繊維量について


一部の食品ではイヌリンの量が食物繊維の量よりも多く見受けられます。これは、その食品が特にイヌリンを豊富に含んでいるためです。厳密に言うと、食物繊維とイヌリンを分類して表示することで、イヌリンの特殊な働きと関連性を強調していると考えてください。食物繊維の総量にイヌリンが含まれる場合と含まれない場合があるので、その食材や研究データを正確に解釈する際には、注意が必要になることもあります。

💡イヌリンは食物繊維の一種ですが、その働きや効果は独特であり、食物繊維とは異なる働きがあるということ

✅菊芋よりも優れた食材


菊芋も自体は悪いものではなく良い食材に入ると思いますが、以上のリストを参考にすると、より良いものとして僕がおすすめするものは

チコリ根

です☺️

チコリ根は僕が飲んでる ベジパワープラス に含まれますが、このチコリ根自体は一般的に糖質と炭水化物が少ない食材とされていて、イヌリンの量も多いです。一般的には手に入りにくいものではあるので、菊芋よりも取り入れることは難しいかもしれませんが、素晴らしい食材です。

また、他の食材で言うなら、血糖値管理や糖尿病の方に対してのことだけを考えるなら、食物繊維量が菊芋と同程度で、糖質量が少ない、一般的にも手に入りやすい

玉ねぎとにんにく

の方がより良い食材と言えます✍️

その他にも糖質が低く、良い食物繊維食材(プレバイオティクス)はムチレージも含まれる
アロエベラ、ラウリン酸が含まれるココナッツバター、クロロフィルも含まれる緑の濃い葉野菜などが挙げられます。

⚠️イヌリンをサプリメントで摂取する場合の注意点


・消化不良
イヌリンを高量摂取した場合、一部の人にガスや腹痛を引き起こす可能性があります。また、消化不良を引き起こすことがあるので、自然食材から摂取することが理想です。

✅最後に


もちろん菊芋自体は良い食材であり、今となっては手に入りやすいものになっているので、取り入れやすいもしれません。しかし、それよりも良い食材はあるということは頭に入れておくと良いと思います。糖尿病の方の場合は菊芋の効果に頼らず、そもそもの糖質摂取量に気をつけるべきだと考えます。菊芋食べてるから大丈夫!と思わないように。菊芋も含めどんな炭水化物食材(自然なもの)だったとしても、普段から1食に摂取する量を拳一個分までにとどめ、一緒に葉野菜などの食物繊維食材を摂取できれば、血糖値管理は上手く行くはずです。

もちろん、健康な方は楽しむ時は楽しんで解放してくださいね😋僕自身は菊芋とても好きなので食べる時は食べます
ポタージュとか最高(栄養関係なく笑)

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