【トランス脂肪酸】全て超有害〜間違ってます〜続き
人工トランス脂肪酸の特徴と健康リスク
人工トランス脂肪酸の生成プロセス
工業的な「部分水素添加」によって植物油の不飽和脂肪酸を部分的に飽和化し、固体または半固体にします。その過程で、通常のシス型不飽和脂肪酸がトランス型に変換される。
例:マーガリン、ショートニング、加工食品(クッキー、ケーキ、揚げ物など)に多い
人体への影響
① 心血管疾患のリスク増加
LDLコレステロール(悪玉)の増加とHDLコレステロール(善玉)の減少を同時に引き起こします。
動脈硬化を進行させ、心筋梗塞や脳卒中のリスクを顕著に高める
② 炎症の促進
体内で炎症性マーカー(例えばC反応性タンパク質、IL-6)を上昇させます。
慢性炎症は心血管疾患、糖尿病、がんなど多くの生活習慣病の主要因。
③ 糖尿病リスクの増加
インスリン感受性を低下させ、糖代謝を妨げます。インスリン抵抗性が進むことで、2型糖尿病の発症リスクが増加します。
④ 細胞機能の損傷(細胞膜の硬化)
細胞膜の流動性を低下させ、正常な細胞機能を阻害します。人工トランス脂肪酸は代謝効率が低いため、体内で蓄積しやすいという性質もあります。
WHOやFDAの評価
世界保健機関(WHO)は、人工トランス脂肪酸の摂取量を可能な限りゼロにすることを推奨しています。
アメリカ食品医薬品局(FDA)は2015年に人工トランス脂肪酸を「安全と認められない食品成分(GRAS:Generally Recognized as Safe)」に分類し、多くの食品から排除されています。
・人工トランス脂肪酸の摂取が心血管疾患リスクを25%以上増加させることを報告。
・摂取量1%(エネルギー比)の増加が心血管リスクを21%上昇させると推定。
・人工トランス脂肪酸が全死因死亡率を有意に増加させることを確認。
・天然のトランス脂肪酸には同様のリスクは認められない。
「タバコより有害」と言われる背景
①タバコは吸う本人だけでなく受動喫煙者にも影響を与えますが、容易に避けることは可能です。 一方、人工トランス脂肪酸は食品に隠れて存在し、知らず知らずのうちに摂取してしまうことが多く、特に加工食品の摂取が多い人に大きなリスクとなります。
②少量でも有害
人工トランス脂肪酸は、わずか1〜2%(総エネルギー摂取量の)を超える摂取でも心血管リスクが上昇します。タバコは少量であればリスクはまだマシですが、人工トランス脂肪酸はその影響が早期かつ深刻なダメージを与えると示唆されています。
③寿命への影響
人工トランス脂肪酸は多くの生活習慣病を加速させるため、全体的な寿命や健康寿命に与える影響がタバコと同等、またはそれ以上である可能性が示唆されている。
タバコよりも注意するべきポイント」
⚠️摂取を完全に避けるのが難しい状況が多い
⚠️非常に少量でも心血管疾患や全死因死亡率に影響を及ぼす。
⚠️子どもから大人まで誰にでも知らないうちに摂取するリスクが存在する。(年齢制限が設けられていない)
もちろん、リスクにおいてはタバコと人工トランス脂肪酸を単純に比較することには限界があります。タバコは明確な発がん性があり、特定の疾患に直結します。一方、人工トランス脂肪酸は慢性的な疾患のリスクを増加させる形で影響するからです。