【超イチオシ】ボーンブロスとは何か?

一般的なボーンブロス(Bone Broth)とは動物の骨・関節・骨髄・靭帯・皮膚などを水と酢で長時間(8〜72時間)煮込むスープで、単なる肉スープや出汁やブイヨンとは明確に区別されるものです。日本ではまだ馴染みのないボーンブロスですが、海外のスーパーなどでは製品がズラッと並んでるところをよく見ます。もちろん、オーガニック栄養学的に全てがおすすめというわけではなく、加工度が高いものだと効果を感じにくいという人も多々います。しかし、私が今最も注目している超イチオシフードであり、ここではボーンブロスの魅力をご紹介したいと思います。

こんな感じでスーパーにボーンブロス製品がけっこーある。オーストラリアやラスベガスのスーパーでもありました。

一般的な構成要素

牛、鶏、豚、魚などの骨

骨髄、軟骨、関節部(膝、脊髄、足)

水(理想は軟水、不純物の少ないもの)

微量の酸(酢やレモン果汁)→ミネラル抽出を促進

栄養的な特徴

成分機能
コラーゲン/ゼラチン関節、皮膚、腸の修復
グリシン/プロリン睡眠改善、肝保護、抗炎症
ミネラル類(Ca、Mg、P、K)⚠️わずかではあります骨、電解質バランス
骨髄脂質(K2,、スフィンゴ脂質)神経、ホルモン機能のサポート

わずかというのもポイントではあります✍️


一般的な出汁やブイヨンとの違い

要点本物のボーンブロス通常のスープ、ストック、ブイヨン
材料骨、骨髄ごと煮込む筋肉・脂肪が中心
煮込み時間24〜72時間以上(理想は72時間煮込む)30分〜2時間程度
抽出成分アミノ酸、ゼラチン、ミネラル、脂溶性栄養素表層のタンパク質や脂肪分のみ
調理温度非加圧、低温高温・短時間または加圧調理
健康効果科学的にも示唆されている栄養的価値は限定的

個人的に思う本物の条件

圧力をかけない長時間抽出(低温・非加圧)
💡最低3日間が理想

骨髄を含むこと

旨味調味料、添加物、酵母エキスなどを使わない

キレイな原料(例:グラスフェッド、抗生物質不使用など)

・キレイな水を使用

本物のボーンブロスは単なる風味づけのスープではなく、ホールフード(全体栄養)の位置付け


なぜ日本以外ではボーンブロス
製品が多く注目されているのか?

欧米での伝統的食文化の再評価

アメリカやヨーロッパでは狩猟採集・農耕時代の食生活への回帰運動(Paleo diet〜パレオダイエット〜)が2000年代から盛んで

nose to tail(動物をまるごと食べる)という概念で、骨・皮・内臓の重要性が再評価される中、ボーンブロスが注目され始めた。

グリシン、ゼラチン、コラーゲン、K2、ミネラル類の機能性研究も増えている。
💡英語圏でも腸内環境、関節痛、肌の健康に対する効果が注目されている

機能性食品的な位置付けで注目?

アメリカでは飲む美容液ファスティング中の栄養サポートとして市販されている

ボーンブロスパウダー、レトルト、冷凍、スティック化製品が次々登場

栄養分野において

一部の栄養療法や腸内リセットプログラムで、必須アイテムとして使用されていたりする。

食べるスキンケア腸内ケアの主役として認識されつつある一方、日本では
煮こごり、すっぽんスープ、出汁の延長とされて、まだ機能性としての認知が浅いのが現状。


栄養学的な成分と効果

コラーゲンとゼラチン

由来 骨、軟骨、皮膚、腱から抽出

分解物質 体内でゼラチン→ペプチド→グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリンなどに分解

💡期待されている作用

関節の保護と修復
皮膚の保湿と弾力性向上
腸粘膜修復

アミノ酸(特にグリシン)

グリシン
抑制性神経伝達物質であり、睡眠改善、抗炎症、肝機能サポートに有用

プロリン
結合組織修復に不可欠、コラーゲン合成に寄与

ミネラル類
  • カルシウム、マグネシウム、リン、カリウム、ナトリウム、亜鉛など
    吸収率→ブロス中では「キレート状態」になっている可能性があり、生体利用率が高いとされる。
    ⚠️それぞれの量はわずかではある。理想的なミネラル摂取ではないということは覚えておきましょう。葉野菜サラダ、鶏のレバー、海塩など、その他が理想です。💡しかし、お腹が弱くなって食べれないものが多い方には強い味方になる。
骨髄由来の脂溶性成分

骨髄にはビタミンA、K2、脂肪酸,リン脂質、幹細胞因子が含まれる。特にビタミンK2は骨代謝と血管石灰化抑制に関与。骨髄脂質に含まれるレシチンやスフィンゴミエリン(動物細胞の細胞膜に存在するリン脂質の一種)などの神経保護効果も示唆される

⚠️鉛などの重金属リスク
長時間煮込むことで骨から溶出するという報告

対策 
オーガニック・牧草飼育の骨使用など、動物の健康履歴が明らかなものを選ぶ

コラーゲンだけではたんぱく質の質が低い
コラーゲンは必須アミノ酸(特にトリプトファン)が不足しており、主たんぱく源ではなく、サポートたんぱく源として評価すること。



本物のボーンブロスは
栄養的に理にかなった食品

骨髄ごと煮込んだ本物のボーンブロスは消化器系、関節、皮膚、神経系、免疫系に対して多面的な健康効果をもたらす可能性がある。ただし、品質と調理法、その他の食事内容にも依存するため、重金属汚染や全体的な栄養バランスの偏りには注意が必要です。ボーンブロスだけを飲んでいれば良いというわけではなく、あくまでもサポート役👍

伝統的なホールフードとして、現代栄養学でも再評価されています。

栄養の作用についての参考リンク🔗

腸粘膜の修復と炎症抑制

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40180691/#:~:text=The%20benefits%20documented%20for%20components,well%20as%20enhancing%20nutrient%20absorption.

関節痛の軽減

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18416885

抗炎症作用

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8618064
マウスモデルにおいて、ボーンブロスの摂取が潰瘍性大腸炎の症状を軽減し、炎症性サイトカインの発現を抑制する効果が示されています。​

骨密度の維持

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26563333
グリシンの摂取が閉経後の骨密度低下を抑制し、骨の健康を維持するエストロゲン様の効果を持つ可能性が示唆されています。​


⚠️注意点 鉛の溶出リスク

一部のボーンブロスには、調理中に骨から鉛が溶出するリスクがあることが報告されています。特に長時間煮込む場合や、使用する骨の種類によって鉛の濃度が高くなる可能性があるため、原材料の選定には注意が必要です。​
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23375414/

ボーンブロスに使う水は超純水が理想について

超純水とは?

H₂O以外のイオン、微粒子、有機物、バクテリア、溶存ガスなどをほぼ完全に除去した水

⚠️用途 半導体製造、医療、研究用(in vitro)など。飲用は想定されていない

なぜボーンブロスには理想的か?

骨から栄養(ミネラルやゼラチン成分)を抽出する際、水に含まれる不純物が抽出効率や風味、pH反応に干渉する可能性がある。そのため、中性・無イオンで抽出性能の高い"純水・超純水"は理論上ベストと言えます✍️

調理過程での「抽出用」としての超純水は理にかなっていますが、メインの飲み水としてはNG


超純水を飲み水として
継続摂取するのは危険

⚠️超純水は体液のミネラルバランスを乱す可能性がある
浸透圧と電解質の拡散

超純水は電解質が極端に低いため、体内の粘膜や細胞膜と接触すると、浸透圧差により細胞外へのNa⁺やK⁺の流出が起こる可能性あり

特に空腹時や発汗後など電解質が失われている状態では危険🚨

⚠️ミネラル奪取仮説

超純水は水分子の自由度が高く、金属イオンとの結合能が強いため、飲み続けると腸内や血液中の微量ミネラル(亜鉛、カルシウムなど)を徐々に奪う可能性があるとされている(ラット実験)

超純水は飲用としては生理学的に適さず、メインの飲み水としては推奨できない



項目評価推奨するか、しないか
ボーンブロス調理に超純水使用◎抽出効率、味の面で最適推奨
超純水を飲料水として日常的に摂取×ミネラルバランスが崩れる
ミネラル添加したら良いか×未知の栄養素や代謝物の効果が期待できない

本物のボーンブロスは最低でも3日間、圧力をかけずに、きれいな水とグラスフェッド牛骨(骨髄ごと)を用いて煮込むのが理想
このオーガニック栄養学的スタンスは伝統食文化、栄養生理学、分子的な観点から考えています。


本物のボーンブロスには伝統的な手法

オーガニック栄養学的に本物のボーンブロスとは
骨・骨髄などを低温、長時間(72時間)で煮出し、ゆっくりと成分を抽出した天然スープ

のことで、加工度が低いものを指しています。


なぜ72時間必要なのか?

一般的には24時間程度でもOK。しかし、より理想的なものを追い求めると、骨・関節・軟骨に含まれるコラーゲンやゼラチンは中低温でゆっくり熱変性と加水分解を起こし、グリシン、ヒドロキシプロリン、プロリンといった有効アミノ酸に変化させたものになる

⚠️時間が短いと、これらが完全にスープに溶出しきらない可能性


圧力をかけずに煮込む

圧力鍋では温度が120℃以上に達しやすく、これにより
・アミノ酸や脂肪酸が熱変性・酸化
・コラーゲンの構造破壊や架橋異常
・グリシン、ヒドロキシプロリンのメイラード反応が促進され、AGEs生成リスク

上記、わずか懸念される。

高温調理はAGEs(終末糖化産物)を生成しやすく、体内炎症の原因になる可能性。
圧力加熱でコラーゲンの断片化が進み、本来の生理活性を持たなくなる可能性

💡調理では精製水が抽出効率に優れる


骨髄の重要性

骨髄には造血幹細胞や脂溶性成分(スフィンゴミエリン、レシチン、ステロール類)が豊富に含まれる。特にビタミンK2やプレグネノロン(ホルモン前駆体)は神経系や骨代謝に不可欠。

ボーンブロスの具材によっては
症状を悪化させる可能性


名称特徴症状起こる理由
IBS過敏性腸症候群下痢、便秘、腹痛、ガス消化管運動異常+腸内環境+脳腸相関の異常
SIBO小腸内で細菌が異常増殖ガス膨満、吸収不良、栄養障害胃酸低下、運動不全、抗生物質使用歴
SIFO小腸内でカンジダ等真菌が増殖IBSと類似ですが抗真菌薬で改善抗生物質使用、免疫低下、糖質過剰

【注意点】

①野菜由来の水溶性・不溶性食物繊維

IBS、SIBO、SIFOの腸は過敏になっており、発酵しやすい繊維が合わない人もいる。実際もし、不調を感じたら無理して飲まずにお医者さんに相談したほうが良いです。

SIBO・IBSの90%以上に悪影響を及ぼす可能性があると言われているので、信頼できるお医者さんに相談すること

②酢や果糖など

 一部の人で胃酸分泌や腸内pH変動により悪化する可能性

果糖 腸管で吸収されず浸透圧性下痢や細菌の発酵、ガス生成、腹痛、膨満感

どんな人でも利用できる可能性が高い提案

無添加、味付けなし、骨と水だけのプレーンなもの。初期段階では野菜も避ける意識

IBS、SIBO、 SIFOについて詳しい参考リンク🔗
IBS
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK534810/

SIBO
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC7386065/

SIFO
https://www.mdpi.com/2072-6643/17/8/1365


リーキーガットとは?

腸管透過性亢進とも呼ばれ、腸粘膜のタイトジャンクション(密着結合)がゆるみ、未消化物、毒素、細菌断片が血中に漏れ出る状態

主な原因とされるもの

・慢性炎症

・食事(グルテン、アルコール、加工食品、砂糖など)

・薬
NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)、抗生物質

・SIBO、SIFO、IBSなど腸内異常酸化ストレスや心理的ストレス

合併しやすいとされる症状や疾患

・自己免疫疾患(リウマチ・1型糖尿病・セリアック病など)

・アレルギー・アトピー

・IBS・炎症性腸疾患(IBD)

・脳腸相関異常(うつ・脳疲労など)

なぜボーンブロスは
リーキーガットに推奨されるのか?

理由① グリシンとプロリンによる腸粘膜修復作用

グリシンは腸上皮細胞の修復・抗炎症・抗酸化(GSH合成)に関与。プロリン・ヒドロキシプロリンは腸粘膜のコラーゲン、粘液層形成に必須とされている。

理由② ゼラチンが腸の粘液バリアを保護

ゼラチンは水と結びついて粘性ゲル状物質を形成し、腸の粘液層の保護因子になる。ゼラチンは腸管通過時間を延ばし、栄養吸収の改善にも貢献。

理由③ 亜鉛などの微量ミネラル

亜鉛はタイトジャンクション(密着結合)を強化する。

ボーンブロス由来のアミノ酸・ゼラチン・ミネラルは腸管の修復と機能回復に有益とされており、リーキーガット対策として理論的・実践的に推奨されている背景がある。

リーキーガットの方も野菜やお酢は注意なケースあり

リーキーガットについて詳しく知りたい方は

こちら🔗

最後に

私は毎日ボーンブロスを摂取しています。しかし、それに頼りきるのではなく、あくまでも皆さんの健康的な食生活をサポートするという意味で取り入れていきましょう。まだまだ、日本では注目されていないと思いますが、これから注目度がさらに増すかもしれません。しかし、オーストラリアなどの海外と比べると原料自体が日本では多く確保できない課題もあります。今後、私は生産者さんへの新たな提案や、多くの人に知ってもらえる活動や情報のシェアはしていきたいと思っています。

ボーンブロス参考リンク🔗

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8618064

https://www.webmd.com/diet/health-benefits-bone-broth

https://www.nytimes.com/2024/10/15/well/eat/bone-broth-health-benefits.html

https://www.medicalnewstoday.com/articles/324191#Bone-broth-and-cardiovascular-health

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23375414

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です