🔑豆乳と大豆の追加情報
豆乳の歴史(一般的な)
起源
豆乳の起源は紀元前に中国で始まったとされています。伝統的な中国の文献には、紀元前にすでに豆乳が存在していたとの記述があります。
製造方法の進化
当初、豆乳は大豆を水に浸して柔らかくし、砕いて液体を濾すことで作られていました。その後、製造技術が進歩し、より効率的かつ衛生的な方法で豆乳が生産されるようになりました。
アジアでの普及
豆乳は中国を中心にアジア全域で広く普及しました。特に菜食主義や仏教の影響を受けている地域で、動物性食品の代替として豆乳が重宝されました。
栄養価の発見
20世紀に入ると、豆乳の栄養価が科学的に認められるようになりました。高いタンパク質含有量、ビタミン、ミネラルなどが注目され、健康食品としての地位を確立しました。
西洋への普及
20世紀後半になると、健康志向の高まりとともに、欧米でも豆乳が普及し始めました。特に植物性食品の需要の増加や、乳製品に対するアレルギーや不耐性を持つ人々にとっての代替品として注目されました。
現代の多様化
現在では、豆乳はさまざまなフレーバーが加えられたり、様々な食品の加工原料としても用いられるなど、多様化しています。
豆乳の製造方法
大豆の選定と準備
- 選定 良質の大豆を選びます。品質が良い大豆は、豆乳の風味と栄養価に大きく影響します。
- 浸水 大豆を水に浸し、数時間から一晩かけて十分に水を吸わせます。これにより大豆が柔らかくなり、後の加工が容易になります。
研磨と加熱
- 研磨 水を吸った大豆を研磨し、細かいペースト状にします。これにより大豆の細胞壁が破壊され、栄養素が抽出されやすくなります。
- 加熱 ペースト状の大豆を加熱します。これは、大豆特有の生臭さを取り除き、タンパク質の溶解性を高めるためです。
濾過
- 濾過過程 加熱した大豆ペーストを布やフィルターを使って濾過します。この過程で固形物(おから)と液体(豆乳)が分離されます。⚠️この液体(豆乳)には反栄養素が流れ出ている
風味の調整と殺菌
- 風味調整 必要に応じて、砂糖や塩、その他のフレーバーを加えて豆乳の味を調整します。
- 殺菌 豆乳を短時間高温で加熱し、殺菌します。これにより豆乳の保存性が向上します。
冷却と包装
- 冷却 殺菌後の豆乳を迅速に冷却します。
- 包装 清潔な容器に豆乳を詰め、保存します。
この製造過程を通じて、大豆の栄養素が最大限に保持され、消費者に安全で美味しい豆乳が提供されます。科学的な手法により、製造過程の各段階で品質管理が行われ、豆乳の品質や安全性が保証されます。
市販の豆乳製品
基本的には上記で述べた製造工程を経ていますが、製品によって若干の違いがあることが考えられます。
基本的な製造プロセス
ほとんどの市販の豆乳は、大豆の選定・準備、研磨、加熱、濾過、風味の調整、殺菌、冷却、包装といった基本的な製造ステップを踏んでいます。
製造方法のバリエーション
特定のブランドや製品は、特有の製造技術や加工方法を採用している場合があります。例えば、特定の温度での加熱や特殊な濾過方法を使うことで、製品に独自の風味や質感を出している可能性があります。
大豆の浸水時間(豆乳)
製造工程において重要です。反栄養素は水溶性のため
浸水された水に流れ出ています。
💡市販の豆乳での具体的な浸水時間は、製造者や製品によって異なる
浸水の目的
- 浸水は大豆を柔らかくし、加工を容易にするために行われます。また、浸水により大豆の反栄養素が減少します。
浸水時間の一般的な範囲
- 伝統的な方法では、大豆を8時間から12時間浸水させることが多いです。しかし、工業規模での生産では、浸水時間を短縮するために、温水を用いることがあります。
24時間以上の浸水の必要性
- 豆乳製造において、24時間以上大豆を浸水させる必要があるかどうかは、具体的な製造工程や目的に依存します。長時間の浸水は大豆の柔軟化を促進しますが、同時に微生物の増殖や栄養素の流出のリスクも高まります。
- 製造者は通常、品質、効率、安全性を考慮して最適な浸水時間を決定します。
工業製造における最適化
- 工業規模の豆乳製造では、時間効率、エネルギー効率、製品の品質と安全性を考慮して、浸水時間が最適化されます。これには、温度管理や水の質の管理も含まれます。
市販の豆乳で具体的な浸水時間を知るには、製造者に直接問い合わせるか、製品に関する技術文書や仕様書を参照する必要があります。
日本における豆乳の食材としての歴史
中国の影響を受けつつ独自の発展を遂げたものです。
起源と伝播
- 豆乳の起源は中国にあり、紀元前には既に存在していたとされます。日本へは仏教とともに伝わったと考えられています。仏教の菜食主義に基づき、肉や魚の代替として大豆製品が利用されました。
日本における発展
- 日本においては、豆乳よりも豆腐や納豆などの加工された大豆製品がより一般的でした。しかし、豆乳自体も飲料や調理に使用されるようになりました。
- 豆乳は日本の伝統的な料理にはあまり用いられず、主に健康食品や特定の料理に限定されていた時期もありました。
近代以降の普及
- 20世紀(1960年代)に入ると、健康志向の高まりとともに、豆乳の消費が増加し始めました。特に、動物性食品の代替としての関心が高まる中で、豆乳の健康的なイメージが強調されました。この背景としては、アメリカのSilkという豆乳を作った会社が、日本に豆乳は体に良いという情報を流し、豆腐を食べる日本人であれば豆乳も飲むだろうということで豆乳を広めることができた一つの要因があります。ここでご理解いただきたいのは、それまでは日本人は頻繁に
豆乳は飲んでなかった
ということです。古くから利用されていたと思われる豆乳は食の歴史としてはごく最近のことです。
- 近年では、豆乳を用いた様々な商品が開発され、スーパーマーケットやコンビニエンスストアでも容易に入手できるようになりました。
栄養面での一般的な評価
- 豆乳は高タンパク、低脂肪で、ビタミンやミネラルが豊富なため、健康的な食品としての評価が高いです。
- 近年の研究では、大豆イソフラボンが含まれる豆乳の摂取が、特定の健康状態に好影響を与える可能性が示唆されています。
⇨これらを信じて飲まないようにはしましょう。大豆自体、アミノ酸バランスが悪く、たんぱく質を補うには困難です。また、反栄養素もあるので、きちんと下処理されたものや、時間をかけて加熱調理されたものや、きちんと発酵されたものを選ぶようにしてください。
日本における豆乳の一番最初の歴史について、一般的には、奈良時代(710年〜794年)から平安時代(794年〜1185年)にかけての時期に相当します。ただし、この時期に豆乳がどの程度普及していたか、またどのような形で食されていたかについては、詳細な記録が限られており、明確な情報は少ないです。より広範に普及し始めたのは、20世紀(1960年代)に入ってからの健康志向の高まりとともに考えられている背景があるのです。日本に入ってきた時期と、普及した時期は違うというポイントをおさえておきましょう。
大豆のゴイトロゲン
(甲状腺機能を阻害する物質)
その含有量は比較的低いとされていますが、豆乳も大豆から製造されるため、ゴイトロゲンを含むことになります。
ゴイトロゲンとは
- ゴイトロゲンは、甲状腺に影響を及ぼす可能性のある物質で、甲状腺ホルモンの生産を妨げることがあります。これは通常、甲状腺腫(甲状腺の腫れ)のリスクを高めることが知られています。
大豆のゴイトロゲン含有
- 大豆はゴイトロゲンを含む食品の中では含有量が低めです。大豆製品、特に加工された製品(豆乳や豆腐など)は、生の大豆に比べてさらにゴイトロゲン含量が低い傾向にあります。
- 加工過程での加熱や発酵は、ゴイトロゲンの活性を減少させることが知られています。
豆乳のゴイトロゲン含有
- 豆乳は大豆を水に浸し、研磨して作られるため、大豆自体のゴイトロゲン含有量が低いことから、豆乳のゴイトロゲン含有量も低いと考えられます。
- 加熱処理によりゴイトロゲンの一部が破壊されるため、豆乳に含まれるゴイトロゲンの量はさらに低くなると推測されます。
健康への影響
- 一般的に通常の食事において豆乳を適量摂取する場合、ゴイトロゲンによる健康への悪影響は非常に低いとされています。特に、甲状腺機能が正常な人においては、豆乳の摂取が甲状腺機能障害を引き起こすことはほとんどないとされています。しかし、甲状腺機能障害が既にある人は、ゴイトロゲン食品の摂取により甲状腺の問題が悪化する可能性があるため注意が必要です。この場合、ゴイトロゲンの量が多いか少ないかということを考えるのではなく、含まれるものは一時的に避ける必要がある方は確かに存在します。これはスクールでもより詳しく話していますが、血液検査で判断する必要があるので、むやみに自己判断でゴイトロゲン食品を避けるのは注意が必要です。💡ゴイトロゲン食品の中には健康的な食材も含まれます
以下の論文では、豆乳に含まれる潜在的に有害な成分(アレルゲン、抗栄養因子、生物アミンなど)について調査しています。これらの成分は、軽度から重度の症状を引き起こす可能性があります。加工条件がこれらの成分の濃度に影響を与えることも指摘されています 。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9525506/
おすすめの大豆の摂取方法
・浸水して、時間をかけて加熱調理した豆を少量食べる
豆全般、反栄養素は含まれるので、一晩浸水させたものを食べる。それでも大量には食べないようにしましょう。浸水させて水は捨てましょう。
・発酵食品で食べる
納豆、味噌、テンペ、醤油などは素晴らしい食材です。発酵することで、反栄養素は無害化されます。
・酵素玄米で小豆を少量摂取する
高温、高圧、熟成、発酵させる酵素玄米は小豆も入れるのですが、反栄養素もかなり軽減されております。また、そもそもの小豆の量がそこまで多いわけではないので安心です。酵素玄米の炊き方についてはYouTubeでも投稿しておりますが、また、新しく投稿したいと思います。
まとめ
大豆や豆に関する健康的な情報は確かに存在し、悪影響も懸念されています。これは反栄養素を減らし、少量を摂取することでも同じような効果は得られるはずなので、一番理想的な豆の摂取方法を上記の3つのポイントを意識すると良いでしょう。しかし、豆乳に関しては健康とは言えないため、嗜好品として付き合うようにしてください。わざわざ健康だと思って、毎日一生懸命摂取するものではありません。カフェに行って、健康のためにミルクを豆乳に変える方もいますが、それは逆効果ということを頭の中に入れておきましょう。
オンラインサロンメンバーやスクール生は、僕が出している情報と照らし合わせてこちらの記事もご覧いただけると、日常的により良い選択ができるようになるはずです。